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『逆の手』を使うと、脳が若返る!?日常でできる“ながら脳リハ”入門

リハビリ豆知識

はじめに:「逆の手」って、どんな効果があるの?

日常生活の中で、ふと「右手ばっかり使ってるな」と感じたことはありませんか?

  • 歯ブラシを持つのも右手
  • スマホ操作も右手
  • ドアを開けるのも右手

この「いつも利き手だけを使っている」状態は、実は脳の一部だけを使っていることと同じ。
そして、反対の手=非利き手を意識的に使うだけで、脳の使われていない部分を刺激できることが、研究でも示されています🧠✨

しかも、これは理学療法や作業療法の現場でも実際に取り入れられているリハビリのアプローチ。
つまり、「逆の手」を使うことで、自宅でも気軽にできる“ながら脳リハ”ができるんです。


脳が活性化するしくみ

「手を動かす」と脳が活性化する、これはなぜなのでしょうか?
ここでは、理学療法士の視点からそのしくみを解説します。

🧩 運動野と感覚野をフル活用!

  • 利き手は、すでに“慣れている”ため、脳はあまり負荷なく処理できます。
  • 逆の手は、「不慣れな動作」を補うために、運動野・感覚野・視覚野・前頭葉など、複数の部位を連携させて動かします。

この結果、脳のあちこちに刺激が入り、全体的な活性化につながるのです。

🧠「脳の可塑性」を刺激!

神経科学でよく言われる「可塑性(plasticity)」とは、脳が柔軟に変化する性質のこと。
使っていない回路は退化し、使えば強化されるという性質があります。

逆の手を使うと、普段使っていない神経回路を再構築しようとする働きが生まれます。
つまり、脳の“若返り”に直結するんです。


実践!日常でできる“逆手脳リハ”

では、どうやって日常の中に「逆の手」を取り入れればよいのでしょうか?
以下に、生活場面ごとの実践アイデアをご紹介します。

シーン逆手でやってみること脳刺激ポイント
朝の歯磨き歯ブラシを逆の手に持つ手指の細かい動き+視覚協調
食事の配膳箸やスプーンを反対の手に難しすぎる人は配膳作業から
ドアの開閉ドアノブを利き手と逆で操作空間認知+運動コントロール
買い物袋を持ついつもと逆の手で荷物を持つバランス感覚の違いを感じる
スマホ操作スワイプや入力を逆の手で親指の使い方が変わる感覚
文字を書く簡単なメモを左手で書いてみる書く脳の回路が再構築される

🧠ポイント:無理にすべてを逆手でやろうとしなくてOK!
「ちょっとやってみよかな」と感じたときに1つずつ取り入れるのがコツです。


なぜ“ながら”がいいのか?

「わざわざ時間を取るのがしんどい…」
「何かのついでにできたらいいのに」

そんな人にこそ、“ながらリハ”が効果的です。

  • 歯を磨きながら、逆の手を使ってコップを持つ
  • スマホを見るついでに、逆の手で操作
  • お茶を飲みながら、逆の手で持ち替えてみる

このように、日常動作を“あえて逆の手”でやるだけで、リハビリ効果が得られるんです。
また、わざわざ運動するほどのやる気がない日でも、脳はちゃんと動いてくれます。


慣れたら次のステップへ!

「逆の手、ちょっとずつできるようになってきた!」
という人は、次のステップに進んでみましょう👇

💡両手同時チャレンジ

  • 左右の手で同時に別の動きをしてみる
    • 例:右手で丸、左手で三角を空中に描く
    • 例:左右同時にお箸とスプーンで食事動作

→ 脳の協調性・前頭前野が活性化!

💡家族・友達と一緒にチャレンジ

  • お題を出して“逆手チャレンジ”をしてみる
    • 「今日は左手でスマホ操作デー」
    • 「右利きは箸を左に、左利きは右に」など

→ ゲーム感覚で継続しやすくなります🎮


おわりに

私たちは、つい「効率よく、慣れた動作」を選びがち。
でも、“ちょっとだけ不便”な行動こそが、脳の若返りスイッチになるのです。

日常を変えずに、ほんの少しだけ動きを変える。
それだけで、あなたの脳はどんどん活性化していきます✨


🎁 締めの一言

ときどき、リハを始めてみませんか?

参考文献

  • 渡辺雅幸ほか(2015).非利き手の使用と脳機能の変化.リハビリテーション医学,52(7), 501-508.
  • 前田和彦(2020).脳の可塑性とリハビリテーション.総合リハビリテーション,48(2), 123-129.
  • 高橋俊明(2019).“ながら運動”の脳科学的意義.脳と行動,34(3), 205-213.
  • Levy, B. J., & Goldman-Rakic, P. S. (2000). Segregation of working memory functions within the dorsolateral prefrontal cortex. *Experimental Brain Research*, 133(1), 23-32.

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