パソコン作業のあと、なんだかしんどい…
仕事が終わってスマホを眺めていたら、ふと気づく。
「なんか目がかすむ…」
「肩、カチコチに固まってる…」
「腰も痛いし、集中力が切れた気がする」
でも、「ちょっと疲れてるだけかな」と放置していませんか?
それ、もしかすると「VDT症候群(ブイ・ディー・ティーしょうこうぐん)」かもしれません。
💻 VDT症候群とは?
VDT(Visual Display Terminal)症候群とは、
パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ端末を長時間使うことで現れる、心身の不調の総称です。
厚生労働省の定義によると、次のような症状がVDT症候群の一例として挙げられています:
- 目の乾燥・かすみ・まぶしさ
- 首・肩・背中・腰のこりや痛み
- 手のしびれ・疲労感
- 集中力の低下・イライラ・不安感
VDT症候群は、「一つの病気」というよりも、
生活スタイルと作業環境の積み重ねで起こる“からだとこころの疲れ”の集合体。
まさに、現代社会ならではの“静かな不調”です。
🔍 あなたもチェック!VDT症候群セルフチェックリスト
以下の項目に、いくつ当てはまりますか?
✅ 1日4時間以上、PC・スマホ作業がある
✅ 目が乾く/まぶしく感じることがある
✅ 肩こりがひどく、時に頭痛もする
✅ 座りっぱなしで腰が重くなる
✅ 画面に集中していると呼吸が浅くなる
✅ 夜、寝つきが悪くなることがある
✅ 手のしびれやダルさを感じたことがある
✅ 集中力が続かず、やる気が出ない日がある
3つ以上当てはまる方は、VDT症候群のリスク大!
5つ以上なら、すでに症状が進んでいる可能性もあります。
⚠ なぜ起こる?VDT症候群の原因とは
VDT症候群は、一言でいえば**無理な姿勢と作業環境のクセ”の積み重ね**が原因です。
姿勢の問題
- 長時間の猫背・前かがみ姿勢
- モニターをのぞき込むような首の角度
- 腕を浮かせたままのタイピングやスマホ操作
こういった姿勢が、首・肩・腰への負担となり、筋肉の緊張や血流の悪化を招きます。
環境の問題
- 画面が明るすぎる or 暗すぎる
- 文字が小さく、目を凝らして作業している
- イスや机の高さが体に合っていない
特に目の乾燥や疲れは、まばたきの減少や画面との距離が近すぎることが大きな要因です。
生活リズムの乱れ
- 夜遅くまでスマホを見て眠れない
- 運動不足や栄養バランスの偏り
- ストレスや睡眠の質の低下
これらも、自律神経の乱れや精神的な不調につながりやすく、VDT症候群を悪化させてしまいます。
💡 理学療法士がすすめる!VDT症候群対策5選
VDT症候群の予防・改善には、日々のちょっとした習慣の見直しが効果的です。
① 姿勢リセットの意識を持つ
- イスに深く座り、背筋を伸ばす
- 画面の上端が目の高さになるよう調整
- 肘・膝は90度、足裏は床にしっかりつける
姿勢が整うだけで、肩こりや腰痛が激減します。
② 「20-20-20ルール」で目を守る
20分作業したら、20秒間、6メートル(20フィート)以上先を見る
→ ピント調整筋(毛様体筋)のリラックス効果あり。
※まばたきを意識するだけでも、ドライアイ対策になります!
③ 1時間に1回は立ち上がる
- 深呼吸して背中を伸ばす
- 簡単なストレッチ(肩回し・首のばし・腰のひねり)
- 2〜3分歩くだけでも血流改善に
“1時間1回の立ち上がり”は、むくみ・集中力低下の予防にも効果的です。
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- ブルーライトカットフィルターや保湿目薬の活用
- 照明を間接照明にしたり、画面の明るさを調整
- タッチ操作はできるだけ両手で(片手スマホ操作は負担大)
- 「仕事だから仕方ない」
- 「まだ若いから大丈夫」
- 「座りっぱなしが普通だし…」
- 厚生労働省(2021). 「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」.
- 日本産業衛生学会. 「VDT作業と健康に関する提言」.
- 日本眼科医会. 「目にやさしい生活習慣とは?」
④ 環境を整える
小さな見直しでも、目と体の疲労感はぐっと変わります。
⑤ 寝る前スマホを手放す
夜のスマホ時間が長いほど、睡眠の質が下がり、疲労が回復しにくくなります。
「寝る30分前にはスマホを手放す」
そんなルールをつくるだけでも、翌朝のスッキリ感は大違いです。
✏ 最後に:あなたのその疲れ、放置しないで
VDT症候群は、気づかないうちに私たちの心と体をじわじわむしばみます。
そう思っているうちに、不調は慢性化してしまうかもしれません。
でも逆にいえば、日々の小さな「気づき」と「工夫」で予防できるものでもあります。
🧍♀️ ときどき、リハ。
「ちょっと姿勢を正してみようかな」
「今日は1時間に1回、立ち上がってみよう」
そんな“ときどき、リハビリ”が、未来の自分を守ってくれるはずです。
あなたの毎日に、ほんの少しだけ「整える時間」を取り入れてみませんか?
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