🧭 はじめに 〜読む前にご注意ください〜
本記事では「オーバードーズ(過量服薬)」という、精神的に苦しい状況で起こる行為について触れます。
自傷行為や心の病に関する表現が含まれるため、不安を感じる方は無理に読まず、信頼できる人や専門機関に相談してください。
💊 オーバードーズとは何か?

「オーバードーズ(overdose)」とは、薬を本来の目的・用量を超えて過剰に摂取することを指します。
中には「一時的に苦しみから逃れたかった」「誰にも相談できなかった」という気持ちの中で、意図的に薬を多く飲んでしまうケースもあります。
オーバードーズの背景には、うつ病・不安障害・PTSD・家庭や人間関係のトラブルなど、心の深い悩みが隠れていることが多いです。
🚨 命に関わる危険だけではない
一見、「救急搬送されて命が助かれば大丈夫」と思うかもしれません。
しかし実際には、オーバードーズによって**身体に重大な後遺症(障害)**が残ることがあります。
助かったからといって、元の生活にすぐに戻れるわけではないのです。
⚠️ オーバードーズで起こるおそれのある身体的障害
① 中枢神経系の障害(脳)
- 意識障害や昏睡状態
- 酸素が行き届かず、脳にダメージ(低酸素脳症)
- その結果:
- 記憶力の低下
- 判断力の鈍化
- 言葉が出にくくなる(失語)
- 感情の起伏が激しくなる
- けいれんやてんかん発作
② 呼吸器障害
- 鎮痛薬・睡眠薬などによって呼吸中枢が抑制される
- 一時的に呼吸が止まると、酸素不足で全身の臓器がダメージ
- 酸素投与が必要になったり、慢性的な呼吸機能低下が残ることも
③ 腎臓の障害
- 意識を失ったまま長時間動かずにいると、筋肉が壊死する(横紋筋融解症)
- 筋肉から出たミオグロビンが腎臓に負担をかけ、急性腎不全になることも
- その後は透析が必要になる生活を送らざるを得ない場合もある
④ 運動機能・筋力の障害
- 寝たきりの時間が長くなると、筋力の低下・拘縮・神経障害が起きやすくなる
- 例えば:
- 歩くとすぐに疲れる
- 手足にしびれが残る
- 関節が動かしにくくなる
📊 まとめ表:オーバードーズによる障害の一例
障害の部位 | 起こりうる後遺症 | 日常生活への影響 |
---|---|---|
脳 | 記憶障害・失語・感情コントロール困難 | 仕事復帰が難しい、人間関係のストレス |
呼吸器 | 慢性呼吸不全・息切れ | 運動制限・酸素療法が必要になる |
腎臓 | 慢性腎不全・透析 | 食事制限、通院・治療が日常に |
筋肉 | 筋力低下・歩行障害・しびれ | 転倒リスク、介助が必要になることも |
🧠 どうして人はオーバードーズしてしまうのか?
オーバードーズをしてしまう人のほとんどは、「死にたい」よりも“「苦しみから逃れたい」”という気持ちが背景にあります。
- 誰にも悩みを相談できない
- 職場や家庭でのストレス
- 孤独感
- 心が疲れ果てた状態(バーンアウト)
精神的な痛みは、目には見えにくいものです。
だからこそ、「気づかれないまま限界を超えてしまう」ことが、オーバードーズにつながるのです。
🌿 回復への道のりと「ときリハ」の視点
たとえ後遺症が残っても、支援によって少しずつ回復していく道もあります。
ここで、理学療法士としての視点をお伝えします。
🧩 回復の支援としてのリハビリ
- 記憶障害・運動障害がある方への訓練
- 日常生活動作(ADL)の再学習
- 転倒予防・筋力維持のトレーニング
- 精神科医・心理士との連携で「心のリハビリ」も支援
「何もできない」から「ちょっとできる」「またやってみよう」へ。
焦らず一歩ずつ、自分のペースで生活を取り戻していくことが大切です。
📞 誰かに相談したいときは
あなた自身や、周囲の大切な人が苦しんでいるときは、専門機関に繋がることがとても大切です。
💡 相談先リンク
- いのちの電話(全国)
- こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)
- 📞0570-064-556
- 東京メンタルヘルス・スクエア(SNS相談対応あり)
📝 最後に
誰かがつらい時、「逃げ場がない」と感じる時、
私たちにできるのは**「あなたの苦しみを否定しないこと」**です。
オーバードーズは、命をつなぐ最後のサインかもしれません。
もし、今ここに辿り着いたあなたが少しでも「読んでよかった」と思ってくれたなら、
それが回復の小さな一歩になりますように。
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