「デトックス=体の毒を出す」なんとなくそんなイメージ、ありませんか?
でも実際、
- 「体の“毒”って何?」
- 「汗をかけばそれでいいの?」
- 「食べ物やサプリで本当に出るの?」
と聞かれると、曖昧なままにしている人も多いかもしれません。
実は、デトックスは私たちの体に本来備わっている“排出する力”のこと。
尿・便・汗・呼吸など、すべてが“自然なデトックス”なんです。
この記事では、理学療法士の視点から「デトックスとは何か?」をわかりやすく解説しつつ、
今日から始められる簡単な“ときリハ式・デトックス習慣”までご紹介します。
デトックスって、なに?
まずは言葉の意味から。
「デトックス(detox)」とは「detoxification」の略で、日本語にすると「解毒」や「排毒」。
つまり、「体の中にある不要なものを体の外に出す働き」のことです。
「毒」と言うと何か強いイメージがありますが、
実際に体の中から出ていくのは、以下のようなものです。
- 食べ物の代謝で出た老廃物(アンモニア、尿素など)
- 加工食品などに含まれる添加物や保存料
- 過剰な水分や塩分
- ストレスによって分泌されたホルモン(コルチゾールなど)
そして、これらを排出しているのは、私たちの体の中にある“デトックス器官”たちです。
デトックス器官とは?
代表的なのは以下の4つ:
器官 | 働き |
---|---|
腎臓 | 血液をろ過して尿として老廃物を排出 |
肝臓 | 体内の有害物質を分解・無毒化 |
腸 | 食べ物の残りかすや老廃物を便として排出 |
皮膚(汗腺) | 熱を放出するほか、微量の老廃物を汗として排出 |
そのほか、**呼吸器(肺)**も呼気を通して二酸化炭素や揮発性の物質を外へ出す働きをしています。
つまり、何も特別なことをしなくても、私たちの体は毎日“デトックス”しているのです。
デトックス不足になるとどうなる?
デトックス機能がうまく働かなくなると、体には様々な不調が現れてきます。
✅ むくみやすい
✅ 肌荒れが続く
✅ 疲れが抜けにくい
✅ 便秘になりがち
✅ 頭がぼーっとする
これらの不調は、老廃物がうまく出せていないサインかもしれません。
放っておくと、代謝の低下や免疫力の低下にもつながる恐れがあります。
自然なデトックスを高める方法
デトックスは「サプリや断食」に頼らなくても、日常生活の工夫で十分サポート可能です。
理学療法士としてオススメしたいのは次の5つの習慣です。
① 水分補給(1.5〜2L/日が目安)
水は老廃物を尿として排出する「運搬役」。
コーヒーやジュースではなく、常温の水や白湯をこまめにとるのがポイントです。
② 運動(軽く汗ばむ程度でOK)
筋肉を動かすことで血液循環やリンパの流れがよくなり、老廃物を体外へ運びやすくなります。
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど軽めの運動でも十分効果ありです。
③ 腸活(食物繊維・発酵食品を意識)
腸内環境が整うと、便通が改善されて「出す力」が高まります。
おすすめは、
- 野菜・きのこ・海藻(食物繊維)
- 納豆・ヨーグルト・味噌(発酵食品)
④ 睡眠(7時間以上が理想)
実は、肝臓の解毒機能は睡眠中に活発に働くと言われています。
寝る直前のスマホを控えるだけでも、質の良い睡眠に近づけます。
⑤ 入浴(湯船につかる)
湯船につかることで血行が促進され、汗と一緒に老廃物が排出されます。
「じんわり汗をかく」ことが目的なので、無理に長湯する必要はありません。
リハビリ視点から見る“動きとデトックス”
理学療法士の視点で見ると、「呼吸」や「関節の動き」もデトックスに関係しています。
- 呼吸が浅い人は、肺の換気が不十分になり、CO2の排出効率が下がる
- 猫背や巻き肩は、リンパの流れを妨げ、むくみを引き起こしやすい
つまり、正しい姿勢や自然な動きは、身体の“巡り”を良くするために大切な土台です。
「ときリハ式」おすすめデトックス習慣
毎日続けられる、簡単な“デトックス習慣”をいくつかご紹介します。
- ✅ 朝起きてすぐにコップ1杯の白湯
- ✅ デスクワークの合間に1分間の肩回しストレッチ
- ✅ 階段を使って1日5分だけ息が弾む歩行
- ✅ 夕食後の15分、テレビを見ながら足踏み
- ✅ 寝る前に深呼吸を5回(吸う4秒、吐く6秒)
ちょっとしたことですが、こうした“積み重ね”が体を内側から整えてくれます。
まとめ:デトックスは、特別なことじゃない。
「デトックス」と聞くと、
「断食」や「ファスティング」「サウナ」などを思い浮かべるかもしれません。
でも実際には、私たちの体は毎日、何もしなくても“デトックス”しているのです。
大切なのは、その働きをサポートしてあげる生活習慣を身につけること。
ときどきでいいんです。
無理せず、ちょっとずつ。
「ときどき、リハ。」のスタンスで、体の中から整えていきましょう。
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