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【保存版】熱中症対策と熱に負けない体づくり〜リハビリ視点で考える、夏を乗り切るカラダと習慣〜

体の不調と整え方

年々暑さが厳しくなる日本の夏。
「暑いけど、まだ大丈夫かな」「少ししんどいけど休めない」――そんなふうに自分の体のサインを見逃してしまうと、知らぬ間に熱中症へと進んでしまうことがあります。

熱中症は、気温や湿度の高さだけでなく、体の状態や日頃の生活習慣も関係して起こる症状です。
この記事では、理学療法士の視点から、

  1. 熱中症の初期症状
  2. 今すぐできる対策
  3. 熱に負けない体づくりのポイント
    まで、日常生活に取り入れやすくまとめました。

🔍熱中症の初期症状とは?

熱中症とは、体温の上昇とともに、体の中の水分や塩分が不足し、体温調節ができなくなってしまう状態のことです。特に初期の段階で気づき、対処できれば重症化を防げます。

以下のような症状が現れたら要注意です。

症状体のサインとポイント
めまい・立ちくらみ脳への血流不足。冷たい場所で座って休む
筋肉のけいれんナトリウム不足。軽いストレッチ+塩分補給
汗が止まらない/出ない体温調整機能の異常。冷却が必要
吐き気・気分不快脱水・自律神経の乱れ。水分と休息を優先
体のだるさ・けん怠感内部の熱疲労。無理せず横になること

※高齢者は「自覚症状が出にくい」ため、周囲の気づきや声かけも重要です。


☀️熱中症対策:日常生活でできる予防術

① 室温・湿度の管理を徹底!

  • エアコン:室温は26〜28℃が目安
  • 湿度:50〜60%が快適ゾーン
  • 扇風機やサーキュレーターを使い「空気を循環」させることがポイント

「クーラーは体に悪い」と我慢するのは逆効果。特に夜間の寝苦しさもリスクとなるため、冷房のタイマー活用や除湿機の併用がおすすめです。

② 外出時は“暑さ対策セット”を持ち歩こう

  • 帽子・日傘で直射日光を遮る
  • 首元に保冷剤入りタオルや冷却グッズ
  • 水分はペットボトル1本だけでなく、塩分補給もできるタブレットを携帯
  • スポーツや作業中は「15〜30分に1回の休憩と水分補給」が理想

💧具体的にどれぐらい飲む?水分補給のコツ

「こまめに水を飲みましょう」と言われても、どれぐらい?というのは意外と知られていません。
理想の水分摂取量と飲み方を紹介します。

▶ 1日の水分摂取目安

水分の種類摂取量の目安
食事からの水分(味噌汁、果物など)約1.0L
体内で作られる代謝水約0.3L
飲み水として必要な分1.2〜1.5L

つまり、飲料として1.2L〜1.5Lを「こまめに」飲むことがポイントです。汗を多くかく日は2L以上を目安に。

▶ タイミング別・こまめな飲み方

タイミング目安量
起床時コップ1杯(200ml)
朝の活動前後各200ml
昼食前後各200ml
午後の活動中200ml
入浴前後各200ml
就寝前100〜150ml

1回あたりコップ1杯(200ml)を6〜8回が目安です。

▶ 塩分も忘れずに!

大量の汗でナトリウムが失われると、水だけでは逆に低ナトリウム血症になることも
塩分を含む以下のものと一緒に摂るのがおすすめ:

  • 経口補水液(OS-1など)
  • 梅干し、ぬか漬け、味噌汁
  • スポーツドリンク(糖分控えめなもの)
  • 塩タブレット

💪熱中症に負けない「体づくり」

熱中症のリスクは、環境だけでなく「体の状態」にも左右されます。
汗をかける体、筋肉のある体、整った自律神経――これらが熱を逃がせる体をつくります。

① 汗をかく習慣をつける

汗腺は、使わなければ退化する器官です。
冷房のきいた環境ばかりで過ごしていると、汗をかく力が弱まり、体温調整ができなくなります。

  • 朝や夕方の軽いウォーキング(15分)
  • 湯船につかる・半身浴
  • ゆっくりしたストレッチでじんわり汗をかく

▶ 毎日少しずつでOK。「暑熱順化(暑さに慣れる)」を意識しましょう。

② 筋肉は“体内の水分タンク”!

筋肉は水分を蓄える重要な器官。加齢や運動不足で筋肉が減ると、水分をためられず脱水リスクが上昇します。

おすすめの簡単筋トレ:

  • 歯磨き中のかかと上げ下げ(ふくらはぎ)
  • 洗濯の合間に片脚立ち(左右30秒ずつ)
  • 朝晩のスクワット(10回)

▶ 軽めでも「続ける」ことが重要!

③ 食事の力を活かす

夏は食欲が落ち、冷たいものばかりになりがちですが、栄養が偏ると体温調整力も低下します。

  • 発酵食品(味噌、ぬか漬け、納豆)で腸内環境を整える
  • 梅干しでナトリウム補給
  • きゅうり・トマト・スイカなどの夏野菜で体を冷やす
  • 卵・豆腐・鶏むね肉などのタンパク質で筋肉維持

④ 良質な睡眠が“体温調整”を支える

睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し、汗や血流の調整がうまくいかなくなります。

  • 寝室温度は26〜28℃
  • 湿度は50%前後が快適
  • 寝る2時間前に入浴 → 深部体温が下がり眠りやすくなる
  • スマホ・ブルーライトは控えめに

▶ 「眠る力」は「体を守る力」。夜を制する者は夏を制します!


🚨熱中症の応急処置:もしものときは?

  1. 涼しい場所へ移動(エアコンが望ましい)
  2. 衣服をゆるめ、首・脇・太ももの付け根を冷やす
  3. 水分・塩分を少しずつ摂取(意識がある場合)
  4. 意識が朦朧・反応が鈍い → 救急要請を!

✅まとめ:日々の「ちょっと」が命を守る

熱中症は“そのときだけの対策”では防ぎきれません。
毎日の「ちょっとした習慣」が、未来の健康を守ります。

🔁実践ポイントまとめ

  • 汗をかく練習を日常に取り入れる
  • 筋肉を落とさず、水分保持力を高める
  • 食事と睡眠で自律神経を整える
  • 1日1.5L以上の水分を「こまめに」摂る
  • 塩分・ミネラルも忘れずに!

この夏は、体の声を聞きながら、無理なく、しなやかに暑さと付き合っていきましょう。
「ちょっとしんどいかも?」と思ったときが、体をケアするタイミングです。

参考文献

  1. 環境省. 熱中症予防情報サイト
  2. 厚生労働省. 熱中症予防のために
  3. 日本救急医学会. 熱中症に関するガイドライン2022
  4. 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団. 健康づくりのための運動基準・運動指針(2013年改訂版)
  5. 独立行政法人 国立健康・栄養研究所. 「水分補給のタイミングと量」
  6. 日本生気象学会. 「暑熱順化に関する解説資料」
  7. 日本気象協会. 「熱中症ゼロへ」プロジェクト

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