「最近、なかなか眠れない…」「寝ても疲れが取れない」そんなふうに感じていませんか?
もしかすると、その原因は“肩のこり”にあるかもしれません。
私たち現代人は、長時間のデスクワークやスマホ操作で、知らず知らずのうちに肩周りに余計な力が入りがちです。実は、この肩の緊張が夜の睡眠に悪影響を及ぼすことが、理学療法の視点からも明らかになっています。
今回は、寝る前たった1分でできる「肩ほぐし」の方法と、その効果についてご紹介します。
心地よく眠るためのヒントを、今日からぜひ取り入れてみてください。
1. 肩のこりと睡眠の関係とは?

肩こりと睡眠の質には深い関係があります。
私たちの体は、緊張していると交感神経(活動モード)が優位になり、心身が「戦闘態勢」のまま眠りにつこうとします。これでは、いくら布団に入っても脳も体も休まりません。
特に肩まわりの筋肉(僧帽筋、肩甲挙筋など)はストレスや姿勢の影響を受けやすく、緊張が続くと副交感神経(リラックスモード)が働きにくくなると言われています。
また、肩こりによって血流が悪くなると、頭や首の疲労感も残りやすくなり「寝ても疲れが取れない」状態に…。
つまり、寝る前にこの肩のこりを軽くほぐしてあげることで、自律神経のスイッチが「おやすみモード」に切り替わり、深くぐっすり眠れるようになるのです。
2. 理学療法士おすすめ!寝る前1分肩ほぐし
ここで、簡単にできる「1分肩ほぐし」をご紹介します。
【STEP1】首と肩の力を抜く(10秒)
イスに座るか、立ったまま姿勢を正します。
両肩を「思い切りすくめる」ようにギューッと上げて5秒キープし、その後ストンと力を抜いて脱力。これを2回行います。
👉 ポイント:思い切り力を入れて一気に抜くことで、肩周りの余計な緊張を解放します。
【STEP2】肩甲骨まわりを動かす(30秒)
両腕を体の横にだらんと下ろしたまま、肩を前後に大きく10回ずつ回します。
👉 ポイント:肩ではなく「肩甲骨」を意識してゆっくり回すこと。胸が開く感じ、背中がほぐれる感覚を大事に。
【STEP3】肩と首のストレッチ(20秒)
右手で左の側頭部を持ち、頭を右側へゆっくり傾けます(首横のストレッチ)。この姿勢で10秒キープ。反対側も同様に行います。
👉 ポイント:肩がすくまないように、肩は下げたままで。呼吸は止めず、ゆったりと。
【合計:1分】
これだけでOKです。
「気持ちいい」と感じる強さで無理なく行うことがコツ。反動をつけたり、痛みを我慢したりしないように注意しましょう。
3. どうして1分ほぐすだけで眠りが深くなるの?
この1分間の動きで、どんな変化が起きるのでしょうか?
■ 筋肉の緊張が緩む
肩・首・肩甲骨まわりの筋肉がほぐれると、血流が改善し、筋肉内にたまった疲労物質(乳酸など)が流れやすくなります。これにより筋肉の重だるさ・違和感が減少。
■ 呼吸が深くなる
肩や胸まわりの柔軟性が上がることで、胸郭(肋骨まわり)が広がり、自然と深い呼吸ができるように。深い呼吸は副交感神経を優位にし、入眠しやすくします。
■ 自律神経が整う
肩の筋肉はストレスを受けやすいため、軽く動かすだけでも「心地よさ」を感じやすい部分。これが脳にも良い刺激となり、心の緊張が緩みやすくなります。
「交感神経優位 → 副交感神経優位」へのスムーズな切り替えが行われ、眠りに入りやすくなるのです。
効果 | 具体的な変化 | 眠りへの影響 |
---|---|---|
筋肉の緊張が緩む | ・血流改善・疲労物質(乳酸など)の排出促進・重だるさ・違和感の軽減 | 体のリラックス感が高まり、眠りに入りやすくなる |
呼吸が深くなる | ・肩・胸まわりの柔軟性アップ・胸郭の動きが良くなる | 自然と深い呼吸になり、副交感神経が優位に |
自律神経が整う | ・ストレスが和らぐ・「心地よさ」が脳に伝わる | 交感神経優位から副交感神経優位へ切り替えやすくなり、スムーズな入眠に |
4. こんな人に特におすすめ
● パソコンやスマホ作業が1日3時間以上ある方
● 首・肩のコリ、重さを感じやすい方
●眠りが浅く、夜中に目が覚める方
● 寝つきが悪く、ベッドの中で時間がかかる方
● 朝起きたとき「疲れが取れていない」と感じる方
1つでも当てはまる方は、ぜひ今夜から1分肩ほぐしを試してみてください。
5. 注意するポイント
✔ 痛みを感じる場合は中止する
無理に伸ばしたり強く揉んだりすると、筋肉や神経を痛める原因に。気持ちいい範囲で。
✔ 肩の手術後・頸椎症・五十肩の方は医師や理学療法士に相談を
持病や怪我がある方は無理に行わず、必ず専門家に確認してください。
✔ 続けることが大切
1日だけで劇的な変化は少ないかもしれませんが、3日・1週間と続けることで「寝つきやすくなった」「朝スッキリ起きられた」と感じる方が多いです。
6. まとめ
肩は「体の疲れ」と「心の緊張」の両方が現れやすい部分。
そのため、夜に軽くほぐしてあげるだけでも、驚くほど睡眠の質が変わることがあります。
たった1分。
仕事終わり、スマホを置いた後、布団に入る前の新習慣として、今日からぜひ始めてみてください。
あなたの明日の目覚めが、きっと変わります。
### 参考リンク
– [日本睡眠学会公式サイト](https://www.jssr.jp/)
– [厚生労働省「睡眠と健康」](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193202.html)
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