朝起きたとき、なんとなく首や肩が重い。
寝たはずなのに、疲れが残っている。
そんな日が続いていませんか?
その原因、もしかしたら「枕」が合っていないのかもしれません。
実は、枕の高さ・硬さ・大きさがほんの少しズレているだけで、首や肩に大きな負担がかかるんです。
今日は、理学療法士の視点から「合っていない枕を見分ける自宅でできる3つのチェック法」をお伝えします。
今使っている枕が自分に合っているのか?一緒にチェックしてみましょう!
1. 壁チェックでわかる!理想の“高さ”とは?
まずは、枕の「高さ」が合っているかどうかを見ていきましょう。
✅チェック方法:
- 壁を背にして立ちます。
- かかと・お尻・肩甲骨・後頭部を壁につけます。
- 無理なく後頭部が壁につくかを確認してください。
🔍判定のポイント
- 後頭部が自然につく → OK!首のカーブが保てている証拠。
- 後頭部がつかない/つけようとするとアゴが上がる → 首の自然なカーブが失われている可能性大。
この“首の隙間”の再現が、理想の枕の高さ。
寝ているとき、この首のカーブを支える高さが必要なんです。
特にストレートネック傾向のある人は、低すぎる枕だと頭が落ちて首が前に突き出た姿勢になりがち。
逆に高すぎると、首が詰まった状態になって呼吸が浅くなったりも。
2. 朝の首・肩の違和感をチェック!
次は、寝起きの状態から「枕が合っていないサイン」を拾い上げてみましょう。
✅こんな症状がある人は要注意
- 朝、首や肩がこっている・重たい
- 頭痛や目の奥の疲れがある
- 手がしびれるような感覚がある(※特に横向き寝の人)
これらは、枕の“硬さ”や“沈み込み方”が合っていない可能性大。
枕が柔らかすぎると、頭が沈み込みすぎて首がねじれる。
硬すぎると、頭の接地面に圧力がかかってリラックスできない。
→結果、筋肉の緊張が取れないまま朝を迎えてしまうんです。
🔄セルフ対策
・仰向けで寝たときに、首の下に「隙間」ができすぎていないかを確認。
・枕の真ん中が凹んでいて、首元をしっかり支える構造が理想的です。
3. 枕から頭が落ちていませんか?
最後は、「大きさ」のチェックです。
✅こんなこと、ありませんか?
- 寝ている間に頭が枕から落ちている
- 寝返りを打つたびに目が覚める
- 横向き寝で肩が痛くなる
これ、実は枕が小さすぎるサイン。
寝返りは、一晩に20回以上するのが自然といわれています。
つまり、寝返りをうっても頭が落ちない十分な幅が必要なんです。
✅理想のサイズ感
- 横幅:約60cm以上(できれば70〜80cm)
- 奥行き:約40〜50cm
- 高さ:仰向け&横向きどちらも支えられる構造が理想(段差があるタイプなど)
また、横向き寝の方は「肩の厚み」も枕で支える必要があります。
一般的に筋肉質な方や肩幅が広い方は、やや高めの枕+大きめサイズがフィットしやすいです。
✅ここまでのチェックまとめ
チェック項目 | NGのサイン | 理想の枕条件 |
---|---|---|
高さ | 壁立ちで後頭部がつかない/アゴが上がる | 首のカーブを自然に保てる高さ |
硬さ | 朝に首こり・頭痛・しびれがある | 適度な沈み込み+首を支える構造 |
大きさ | 枕から頭が落ちる/寝返りで目が覚める | 横幅60cm以上、奥行き40cm以上 |
理学療法士的ワンポイント💡
理学療法士として枕をおすすめする際、大切にしているのは
**「寝ているときの姿勢が、立っているときの自然な姿勢と近いかどうか」**です。
つまり、重力がかかっていない状態でも、背骨のS字カーブや首の湾曲が保たれていることが重要。
とくに首(頚椎)は、7個の骨でできたとても繊細な構造です。
1つでも角度が狂うと、筋肉や神経に無理がかかり、不調に直結します。
だからこそ、自分に“合った”枕が必要なんです。
おすすめ枕タイプ別(悩み別)選び方
お悩み | 枕の特徴 |
---|---|
首こり・肩こり | やや高め&頚椎支持構造つき |
寝返りが多い | 横幅が広い/沈み込みすぎない素材 |
いびきが気になる | 横向き寝しやすい形状(U字・くぼみ付き) |
ストレートネック傾向 | 首のカーブをサポートする段差タイプ |
最後に:枕は“消耗品”です
枕は、ずっと同じものを使い続けると徐々にへたっていきます。
- 弾力がなくなってきた
- 頭が沈みすぎる
- 首の下がスカスカする感じがある
こんな感覚が出てきたら、買い替え時。
「3年以上使ってるな〜」という方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
あなたの枕、大丈夫でしたか?
今回紹介した3つのチェック法は、どれも自宅で今すぐできる簡単な方法です。
「なんか疲れが取れないな…」と思っていた方は、
今日から枕チェック、ぜひ始めてみてください。
たったひとつの“合う枕”が、あなたの睡眠と健康を変えてくれるかもしれません。
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