「寝つきが悪い」「朝起きても疲れが取れない」「最近、頭痛や肩こりがひどい」――。
そんな不調を感じていませんか?
その原因、もしかするとスマートフォンの使いすぎかもしれません。
最近の研究では、スマホ依存症(スマートフォン中毒)が、睡眠の質や片頭痛と密接に関連していることが明らかになっています。
この記事では、2024年に発表された日本の最新研究をもとに、スマホ依存と睡眠、頭痛との関係性をわかりやすく解説。
理学療法士の視点から、今日からできる対策方法も紹介します。
「なんとなく不調」を改善したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
■ スマホ依存症とは?
スマホ依存症(スマートフォン中毒)とは、「手元にスマホがないと落ち着かない」「無意識にスマホを触ってしまう」といった状態を指します。
特に寝る前のスマホ習慣が問題視されており、以下の影響が報告されています:
- ブルーライトによるメラトニン(睡眠ホルモン)分泌抑制
- SNS・動画視聴による興奮状態の持続
- 睡眠時間の削減→ これにより「寝つきの悪化」「眠りの浅さ」「日中の眠気」などの睡眠障害が起きやすくなります。
■ 【最新研究】スマホ依存と睡眠・頭痛の関係
2024年、日本で行われた最新研究(石井正和ら, BPB Reports)では、20〜40代女性600名を対象に**スマホ依存症と慢性頭痛(片頭痛)**の関係が詳しく調査されました。
🔍 主な結果まとめ:
◎ スマホ依存症群(n=120)の特徴
- スマホ使用時間が長い(平日5.1時間・休日6.2時間)
- 睡眠の質低下(日中の過剰な眠気を示すESSスコア11点以上が70.8%)
- 眼精疲労、ドライアイ、視力低下、肩こり、疲労感、ホルモンバランスの乱れも有意に多い
◎ 片頭痛群(n=238)の傾向
- 片頭痛患者の23.5%がスマホ依存傾向
- 依存群は非依存群に比べ、睡眠の質が悪く頭痛症状も強い
- 精神的特性として「神経症的傾向が高い」「外向性・協調性が低い」傾向あり
神経症的傾向が高い
心理学のパーソナリティ理論(ビッグファイブ理論など)で使われる言葉で、感情が不安定になりやうすく、ストレスや不安、怒り、落ち込みといったネガティブな感情を感じやすい性質を指す。
📝 結論:
- スマホ依存症は睡眠の質を悪化させ、片頭痛や慢性疲労のリスクを高める。
- 特に「寝る前の長時間使用」「ブルーライト曝露」が大きな要因。
- スマホ依存症患者には精神的ストレスや性格傾向も関連。
■ 睡眠の質が悪化するとどうなる?
睡眠の質が低下すると、体や心に以下の変化が起こります:
悪影響 | 内容 |
---|---|
日中の眠気・集中力低下 | 仕事のミス、作業効率の低下 |
自律神経の乱れ | 疲労感、冷え、肩こり |
頭痛・片頭痛の悪化 | 血管収縮・拡張リズムの乱れ |
肌トラブル | ニキビ、くすみ、むくみ |
ホルモンバランスの乱れ | 生理不順、PMS悪化 |
心の不調 | イライラ、不安感、うつ傾向 |
「寝れば治る」が通用しない、質の悪い睡眠は全身に悪影響を及ぼします。
特に慢性頭痛持ちの人は、スマホ習慣の見直しが必要です。
■ 理学療法士がすすめる!スマホ依存による睡眠障害の改善策
1. スマホを“寝室に持ち込まない”
充電器をリビングや玄関に置き、「ベッドでは触らない」ルールを作りましょう。
これだけで入眠時間が早まったという報告もあります。
2. ブルーライトカット機能を活用
スマホの「Night Shift」や「ブルーライトカット」機能をオンに。
さらに寝る2時間前以降のスマホ使用を減らすことで、睡眠ホルモン分泌が正常化します。
3. 寝る前の“置き換え習慣”をつくる
おすすめは:
- 紙の本や雑誌
- 軽いストレッチ(首・肩・股関節)
- 腹式呼吸・瞑想
深く眠りたい夜に。方ほぐしがあなたの“おやすみスイッチ”に。 – ときどき、リハ。
これにより脳と身体が「眠るモード」へと切り替わります。
4. 日中の運動量を増やす
座りっぱなしのデスクワークもスマホ依存と同じ「不活動」状態。
1日30分以上のウォーキングやストレッチが、夜の深い睡眠を促進します(日本睡眠学会 2023)。https://jssr.jp/”;
5. 仕事や趣味で「スマホ以外」の楽しみを持つ
スマホ以外のストレス発散方法(趣味・対面コミュニケーション)を増やすと、自然と使用時間が減り、依存度も改善します。
■ まとめ
スマホ依存症は「睡眠障害」「慢性頭痛」の新たなリスク要因として注目されています。
特に、長時間使用や寝る前のスマホ習慣が、心身にじわじわと悪影響を与えていることが明らかになっています。
「最近眠りが浅い」「疲れが取れない」「頭痛が増えた」――そう感じている人は、まずスマホとの付き合い方を見直してみましょう。
スマホは便利ですが、ほどよい距離感が健康のカギです。
1日10分でも“スマホ断ち”の時間を作ることから、快眠・快調な毎日が始まります。
【参考文献】
日本睡眠学会 公式サイト
https://jssr.jp/”
石井正和, 松原繁夫, 中村光伸. スマートフォン依存傾向と睡眠障害および頭痛との関連. BPB Reports. 2024; 10: 45-52.
https://doi.org/10.5264/jjpnvbp.10.45″;
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