肌に対して「運動したら肌がキレイになった!」という声もあれば、「汗をかくとニキビが増える気がする…」という不安の声もります。
実際のところ、運動とニキビにはどんな関係があるのでしょうか?
最新のガイドラインや研究結果をもとに、正しい知識と対策をまとめます。
🔍 1. 日本皮膚科学会ガイドライン2023年版では?
まず「尋常性痤瘡(ニキビ)治療ガイドライン2023」(日本皮膚科学会)では、運動や発汗がニキビを直接悪化させるという記載はありません。
治療推奨として挙がっているのは「適切な洗顔」や「スキンケア」「内服・外用薬の使用」であり、運動を控えるような注意喚起はされていません。
つまり、「運動=ニキビの原因」と断定する根拠は、現時点の日本皮膚科医の間でも示されていないということです。
🔍 2. 運動は肌に良い影響もある
2023年、立命館大学とポーラ化成が発表した研究では、「筋力トレーニング」が肌の真皮層(ハリや弾力の元となる層)を厚くする効果が確認されました。
被験者(40~50代女性)が週2回・4ヶ月間、筋トレや有酸素運動を継続したところ、
- 皮膚の弾力性UP
- 真皮の厚み増加
- 炎症物質の減少(ケモカインの低下)
など、美肌につながる嬉しい変化が報告されています。
この研究からも「適度な運動」は肌の健康に良い可能性が高いと言えます。
🔍 3. 汗をかく=ニキビが増える?その誤解とは

「運動後の汗はニキビの元になる」という説も根強いですが、実はこれを否定する興味深い研究があります。
2008年、Shortらの研究(ランダム化比較試験)では、
- 運動後すぐシャワー
- 4時間後にシャワー
- 運動しない
の3群で背中・胸のニキビ変化を比較しましたが、汗やシャワーのタイミングとニキビ数には有意な差がなかったと報告されました。
つまり「汗をかくことそのもの」がニキビの直接原因とは考えにくいのです。
✅ 4. では、運動後に気をつけたいことは?
発汗自体よりも大事なのは、以下のポイントです。
注意点 | ✨ 理由 |
---|---|
運動後すぐに汗を拭き取る | 汗+皮脂が毛穴につまるのを防ぐ |
吸汗速乾のウェア | 摩擦やムレによる肌刺激を減らす |
顔・身体を清潔に保つ | 雑菌繁殖を防ぎ、炎症リスクを下げる |
マシン・ヨガマットなど共用物を清潔に | 接触による細菌付着を予防 |
ガイドラインでも「1日2回程度の適切な洗顔」「洗いすぎないこと」が推奨されています。
なので、運動後にさっと汗を拭き、帰宅後に優しく洗顔・保湿を行えば十分です。
💡 5. まとめ
- 運動がニキビを直接悪化させる証拠はありません。
- むしろ筋トレ・有酸素運動で肌の弾力性・厚みが改善する可能性も示唆されています。
- 汗や汚れの「放置」「摩擦」「不衛生」こそがニキビの悪化因子。
- 運動×正しいスキンケアで“健康的な肌”と“心身の健康”の両立ができます。
🎈ここでひとこと。
「汗は敵」ではなく「ケア不足が敵」。
運動を生活に取り入れながら、簡単な肌ケアを習慣にすることで、ニキビも、身体も、心も健康に整えましょう。
📚 参考文献
日本皮膚科学会 雑草皮膚炎ガイドライン2023
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf”;
立命館大学×POLA共同研究「運動と肌の関係」レポート
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=576787&f=.pdf”
Short et al., 2008: Exercise training and skin health(RCT論文)
https://core.ac.uk/reader/230924553″
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